八木研を希望する学生へ 地震学研究室で学ぶ内容と指導方針
配属前に高度な知識は必要ありません。本当に必要なのは「違和感」を放置しない姿勢です。
ここでは、「なぜそう考えたのか」と問われ続けます。
最初は戸惑います。自分の考えの甘さにも気づきます。
その積み重ねが、問いを立て直す力と、しなやかでタフな思考を育てます。
【学類1年】「分からない」を恐れず、考える体力をつくる
- 知識量は不要:今は「なぜ?」で止まれるかが重要。
- 基礎科目を武器化:力学・電磁気は後で効く。
- AIは答えより前提チェック:違和感を育てる。
「地学の知識に自信がない」「物理や数学が苦手」…そんな不安は、ここでは一切不要です。 大切なのは、今の知識量ではなく「なぜ?」と立ち止まれる姿勢です。 八木研に集まる学生の多くも、最初はあなたと同じように、漠然とした不安を抱えた「普通」の学生でした。
「なぜそうなるのか?」を粘り強く考える
知識を詰め込むことではなく、「なぜそうなるのか?」を粘り強く考える姿勢をつくること。 古典力学や電磁気学などの基礎は、後になって必ず「自分だけの研究」を支える強力な土台になります。
AIの答えを鵜呑みにする前に一度止まる
AIを使うこと自体は問題ありません。ですが、答えを鵜呑みにする前に 「この問いの前提は正しいか?」「論理に飛躍はないか?」と一度立ち止まってみてください。そこで感じる「違和感」こそが、将来のあなたを助ける「考える力」を育てます。
【学類2年】興味や違和感を、少しずつ「問い」の形にする
- 違和感をメモ:小さな引っかかりがブレークスルーに繋がる。
- 相談は早いほど得:対話が将来の準備になる。
- AIは道具:不得意分野に取り組むチャンス。
明確なやりたいことが決まっていないのは当たり前。1年生の時に思うように動けなかったと感じている人も、まだ慌てる必要はありません。
小さな違和感を大切に
「少し引っかかる」「教科書の解説が腑に落ちない」という小さな違和感を大切にしましょう。 地震学に少しでも興味が湧いたら、学年を問わず研究室へ相談に来てください。対話が新たなインスピレーションをもたらすものです。
AIは道具として使う
AIは、調べ物や要約には非常に便利です。特に、自分の不得意な分野を勉強するときに使えます。AIの力を借りて、幅を広げてみましょう。ただし、出てきた答えをそのまま受け取らないこと。また、「なぜそうなるのか」「前提は何か」と問い直すことは忘れずに。
【学類3年】知識をつなぎ、「違和感センサー」の感度を上げる
- 遅くない:学び直しはここからでも間に合う。
- 横断が武器:異分野の概念が独自性を生む。
- AIで効率化→Whyに投資:知識の統合と思考に時間を回す。
まだ研究テーマが固まっていなくても、それが普通です。 1、2年で思うように成長できなかったと焦っている人もいるかもしれませんが、 学び直すのに手遅れなタイミングなどありません。
複数の分野の知識を行き来する
専門分野に閉じず、複数の知識を行き来してください。「地震学のこの課題、異分野のあの概念で説明できないか?」という横断的な視点が、世界を驚かせる独自のテーマを生みます。
AIで効率化して、浮いた時間をWhyへ
AIを使いこなすことで、幅広い分野の学習を効率化できます。浮いた時間は、人間にしかできない「なぜ(Why)」の追及や「知識の統合」に注いでください。AIが出せない答えを、一緒に探しましょう。
大学3年生からの学び直し
私は大学3年生まで、地元の釜石で公務員になろうと漠然と考え、効率的に単位を取得し、遊ぶことしか考えていませんでした。そんな時、友人が「このままで本当にいいのか?」と問いかけ、勉強に誘ってくれました。正直、当時は面倒で避けたい気持ちもありました。受験勉強もテスト勉強もろくにしてこなかった私にとって、机に向かい続けるのは決して楽ではありませんでした。
その友人と逃げずに向き合った時間こそが、私の学びの原点です。夜通し勉強し、疲労感の中で見た朝焼けの景色は今も鮮明に覚えています。
他大学からの進学を考えている方へ
八木研では、他大学からの進学も歓迎しています。 バックグラウンドが異なる学生が混ざることは、研究室全体の議論を活性化させるため、 とてもポジティブなことだと考えています。出身大学やこれまでの専攻よりも、私たちが重視するのは「前提を疑い、問いを立て直そうとする姿勢」です。
- 地震学が専門でなくても問題ありません
- 物理・数学・情報・工学など、異分野出身者も歓迎します
- バックグラウンドの違いは、研究室の議論を強くします
受験・進学について
博士前期・後期は地球科学学位プログラムの受験が必要です。 (入学案内・入試問題はこちら)
受験前に必ずメールにて連絡をとり、研究テーマについて相談してください。 現在の知識量よりも、どのような視点で研究に取り組みたいかという「意欲」や「問い」を重視しています。
※ 相談は雑談レベルで構いません。 「進学を迷っている」「分野が合うか知りたい」といった段階でも歓迎します。
【高校生・高専生】「知識」より「違和感」。それが研究の入口
- 地学を履修してなくてもOK:必要なのは「気になる」を放置しないこと。
- 研究室は“答えを覚える場所”ではない:自ら問いを立て考え調べる場所。
- 担当学類は地球学類:総合学域群もありだけど、オススメは地球学類入学。
「研究って難しそう」「数学が得意じゃないと無理?」と感じるかもしれません。でも、本当に必要なのは知識量ではなく、“違和感センサー”です。何かが腑に落ちない、説明が雑に感じる、現象が気になる、その感覚が重要です。
研究室って何をするの?
授業は「既に分かっていること」を学ぶ時間。研究は「まだ分かっていないこと」を、自分で問いにして、データや理屈で確かめて、発表まで持っていく活動です。最初から正解を出す必要はありません。むしろ、間違えることが重要です。
どんな人が向いてる?
“地震が好き”より、「説明が雑だと気持ち悪い」人が向いています。あと、分からない状態を放置せずに、少しだけ粘れる人。逆に「答えが欲しい」「間違えるのが怖い」タイプは苦労する可能性が高いです(でも鍛えられます)。
八木研で訓練するスキル
地震学の専門知識はもちろん、どの分野・職種に進んでも武器になる「柔軟な思考」を鍛えます。
問いを立てる力
AIが提示する答えの「前提」を疑い、違和感を放置せず独自の視点を持つ力。情報の表面をなぞるのではなく、本質的な問いを再定義する訓練を行います。
高度なデータ解析
世界中から集まる地震波形データを用い、PDTI等の独自理論で断層の複雑な動きを可視化。並列計算サーバーやGitHubを駆使し、複雑な現象を数理的に解き明かす技術を習得します。
論理的なプレゼン力
「世界水準の論文」を書き上げ、世界の研究者に自らの考えを論理的に伝える力。多数の学生が筆頭論文を国際雑誌に掲載しているように、アウトプットまで完遂する力を養います。
粘り強く柔軟な思考
想定外の結果や失敗を「常識が壊れる瞬間」と捉え、新たな発見の鍵に変える柔軟さとタフさ。答えのない問いに対して、粘り強く向き合い続けるマインドセットを構築します。
気軽に相談しよう
AIとの対話は、自分自身を映す鏡との対話になりがちで、どうしても予定調和に陥ります。一方で、人との会話には意外性があり、思いもよらない視点や新しい発想が生まれるものです。研究は、その「予想外」から前に進むものです。
興味を持った段階での相談や、研究室見学をいつでも歓迎しています。もちろん、雑談でもOKです。
将来やりたいことが決まっていなくても、地震に関する知識に自信がなくても全く問題ありません。配属や進学を前提としない相談でも構いません。
ふわっとでもOKです。相談(議論?)することで、一緒に考えをまとめていきましょう。
- 所要時間:15〜30分(目安)
- 準備:特に必要ありません。
- 相談内容:授業で引っかかった点/興味ある現象/将来像などなど
Teamsにコピペで送れるテンプレ
送り先:Teamsで「八木 勇治」を検索 → 上のテンプレを貼り付けて送信してください。
よくある質問
研究室のゼミはどのように行っていますか?
週2回(合計3〜4時間程度)行っています。
- 教科書ゼミ(1〜2時間):地震学や機械学習の教科書を輪読します。英語の教科書がメインですが、良い日本語の教科書があれば採用することもあります。
- 研究発表ゼミ(1〜2時間):各自の研究進捗や関連論文のレビューを発表します。
- グループミーティング(金曜午後・約1時間):1週間の進捗共有と、困りごとの相談を行います。
少人数体制(学生数10名程度)のため、議論の時間は十分に確保できています。
コアタイムはありますか?
コアタイムはありません。
研究は各自の裁量に任せていますが、議論のしやすさの観点から平日昼間の在室を推奨しています。 もちろん、バイトや就職活動との両立も可能です。
昼に研究室にいる学生には、私(八木)がランチに誘いに行くことがあります(自由参加)。 主に雑談をしていますが、気軽な相談の場としても使えます。
相談したいときはどうすればよいですか?
Teamsで連絡してください。ランチ時に相談・ランチ後に議論に発展という展開も歓迎しています。
- 研究相談:研究室(B108)で大型ディスプレイやホワイトボードを使って議論します。
- 個人的な相談:居室(B406)で対応します。
指導スタイルを教えてください。
自主性を重視しつつ、伴走するスタイルです。
- ゼミやミーティングで定期的に指導します。
- 学会発表・論文投稿を希望する場合は、スケジュール設計からサポートします。
- 国内外の学会参加のための予算確保にも積極的に取り組んでいます。
研究の方向性は学生と話し合って決めます。進捗が滞った場合は、こちらからも積極的にサポートします。
配属後はどのように進みますか?
まず面談で研究テーマを決めます。
- 修士進学希望、論文発表希望、博士進学希望などに応じてテーマを設計します。
- 希望に応じて、途中でテーマを変更することもあります。
- 他の学生とテーマが重ならないよう調整します。
4月には以下を行います:
- Mac・並列計算機の使用方法
- GitHubの利用方法
- データ取得方法
- 解析手法の基礎説明
- ゼミ書籍の選定
これらは上級生が主導して説明します。
数学やプログラミングが不安ですが大丈夫ですか?
大丈夫です。
解析理論の開発も行っていますが、どちらかというと新しい手法を地震データに適用する研究が中心です。 必要な数学・プログラミングは、ゼミや日々の研究の中で身につけていきます。
進学や研究志向の学生は多いですか?
現在、学部生の9割以上が修士課程へ進学しています。研究志向の学生が多い環境です。