スコロド石(Scorodite; FeAsO4・2H2O)は、斜方晶系のバリシア石グループ(ATO4・2H2O; A = Al, Fe, In, Sc, Y, T = P, As, V)に属する淡緑から淡青色のきれいな錐状結晶です。熱水鉱床の初生鉱物として結晶化する場合もありますが、ほとんどの場合は二次鉱物としてヒ素を含んだ硫化物鉱床が風化してできる褐色の露頭(ゴッサン;
gossan)に多く観られ、硫砒鉄鉱(FeAsS)等の硫化ヒ素鉱物が分解することでスコロド石が形成されます。スコロド石の名前は、熱すると大蒜(ニンニク)の臭いがすることから、ギリシア語の「Scorodion」にちなんでいますが、日本ではニンニクではなくハンマーでたたくと葱(ネギ)の臭いを放つことから「葱臭石」と呼んでいます。ちなみに、ニンニクもネギも同じユリ科の植物です。