Reseach

 

沈み込み帯における地震性すべり

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巨大地震震源域掘削

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スロー地震の地質学的痕跡

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付加体における変形

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沈み込み帯における地震性すべり

地震発生深度から上昇し現在地表に露出するかつてのプレート境界断層は、沈み込み帯での地震を記録していることが期待されます。四万十付加体と美濃-丹波付加体は、それぞれ南海トラフと日本海溝沈み込み帯の陸域アナログであると考えられています。我々は、これらの付加体中に発達するシュードタキライトやウルトラカタクレーサイトなどの断層岩を対象とした研究を実施し、沈み込み帯における地震性すべりプロセス・メカニズム解明に向けた研究に取り組んでいます。

 

 

 

巨大地震震源域掘削

我々は、Japan Trench Fast Drilling Project (JFAST), Tracking Tsunamigenic Slip Across the Japan Trench (JTRACK), Nankai Trough Seismogenic Zone Experiment (NanTroSEIZE)と呼ばれる巨大地震震源域掘削プロジェクトに参画しています。これらのプロジェクトは、地球深部探査船「ちきゅう」により、2011年東北地方太平洋沖地震震源域と南海トラフ巨大地震震源域を掘削することで実施されるものです。我々は、回収された掘削コアの観察・分析と断層帯物質を用いた高速摩擦実験を行うことで、巨大地震発生プロセス・発生メカニズム解明に向けた研究に取り組んでいます。

 

 

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スロー地震の地質学的痕跡

地震・測地観測により、沈み込み帯ではスロー地震が発生していることが明らかになりました。しかし、スロー地震を引き起こす物理化学プロセスや低速すべりメカニズムについては謎のままです。我々は、スロー地震発生域で形成された付加体と変成岩を対象とした研究を行うことで、スロー地震の地質学的痕跡を探る研究を行っています。スロー地震発生に関連した変形メカニズム、レオロジー、化学反応を明らかにするために、フィールド調査、微細構造観察、室内分析を実施しています。このテーマに関する研究は、日本学術振興会のサポートのもと、「スロー地震学」、「Slow-to-Fast地震学」プロジェクトとして実施されています。

 

 

 

付加体における変形

付加体は、剥ぎ取り作用、底づけ作用、順序外スラスト運動により発達すると考えられています。我々は、四万十付加体と南海トラフを対象に構造地質学的、土質力学的観点から、剥ぎ取られた堆積物と底づけされた堆積物における変形プロセス・変形メカニズムに関する研究を行っています。特に、付加体における変形に流体が果たす役割について詳しく検討しています。