研究室の目標 地球科学の目指すところは,「自然の仕組みを理解すること」です.そして,「安全で持続的発展可能な社会」の実現に貢献することです.近年では,地震や津波,火山噴火や集中豪雨といった自然災害など「生活に直接関わる地球の諸問題」に,社会的な関心は高まってきています.地球は水と大地で出来た惑星です.大地を構成する岩石は,鉱物の集合体です.そのため,地球科学では,鉱物を固体地球の最小構成単位としてみなしています.鉱物学とは,鉱物を研究する学問です.鉱物ひとつひとつの性質を研究することは,地球全体の仕組みを理解することにつながり,延いては,自然の法則を理解することにつながります.私たちの研究室では,鉱物学を通じて少しでも地球科学に貢献することを目標としています.そして, 地球科学にとどまらず,物理学,化学,生物学,工学の貢献にもつながるように努めています.  
         
   地球内部科学 地球内部がどうなっているのか,それは人類にとって常に好奇心の対象でした.しかし,現在の科学を駆使しても,私たちはまだ地球深部の岩石鉱物試料を直接観察採集することはできません.ところが,今日の私たちは,ダイヤモンドアンビルセル(DAC)という高圧装置を用いて,地球深部の高温高圧状態を再現することが出来ます.私たちは,DACを使って非常に小さな空間に上部マントルや下部マントルを実験室に作り出し,マントル鉱物の性質を研究しています.  
         
   鉱物の物理化学 鉱物は,固体地球の大部分を構成しているだけでなく,大気や,河川,湖水,地下水,海洋中にも,細粒な鉱物として普遍的に存在しています.それらの鉱物の性質や挙動には,まだまだ未知な部分が多く残されています.鉱物を研究することは,その鉱物が,「どのような性質をもち」,「どのように挙動して」,「地球の諸現象にどのように関わっているのか」,地球惑星システムの最も根本的なメカニズムを解明することです.私たちは,鉱物の物理特性や化学特性を調べることで,その鉱物の地球上での振る舞いやその鉱物の地球システムに及ぼす影響について研究しています.    
         
   結晶学 鉱物は,自然が作り出した結晶です.結晶の性質は,原子の配列と密接に関係しています.結晶の幾何学的な形状や光学的な性質,状態方程式や熱膨張率,融点等多くの多くの物理学的性質は,原子配列の対称性に由来しています.つまり,結晶の諸性質は,規則正しく配列した原子の対称性に従っています.したがって,結晶の性質を知ることは,結晶の対称性を理解することです.私たちは,さまざまな結晶を合成し,その結晶構造を解析して原子の対称性や原子配列について調べ,結晶の性質やその特徴について研究しています.    
         
   固体物理学 鉱物を研究することは,固体物質そのものの性質を研究することです.固体物質には,結晶だけでなく,非晶質,金属,半導体,絶縁体,有機物,無機物,有機無機複合体,ナノ物質など,さまざまな形態があります.そしてマクロ的性質は,電気特性,磁気特性,温度特性,光学特性,力学的特性などが知られています.私たちは,固体物質内の電荷分布密度,バンド構造,電子スピン状態,原子間の結合状態などの電子状態を実験や計算によって解析し,固体物質が示すさまざまなマクロ的性質について研究しています.    
         
   記載鉱物学 自然に存在するものについて研究する学問のことを博物学と言います.博物学の研究の対象は,動物,植物,鉱物です.自然科学の基礎学問として博物学の歴史は古く,西暦77年に古代ローマのプリニウスは「博物学」の中ですでに鉱物の分類とその性質の違いについて記述しています.このように,自然に存在する鉱物を採集し,その産状や色,形,光沢,硬度,化学組成,結晶構造等の特徴を記載する学問が記載鉱物学です.近年,観察分析技術が大きく発展しました.これにより,これまで発見がされなかった新しい鉱物も次々と発見されています.私たちは,直接フィールドに赴いて,さまざまな地域から産出する鉱物を収集し,観察同定分析を行っています.    
 
 
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