2010年4月14日に中国青海省で発生した大地震(暫定)

2010年4月14日に中国の青海省でM6.6の地震が発生しました。ここでは、 IRIS-DMCからFDSNとGSNの地震観測網の波形データをダウンロードして、震源過程を求めました。今後、すべり量の絶対値等が変化する可能性があります。断層面はABICが最小となる面を採用していますが、横ずれ断層の場合、断層の形状の変化の影響を受けやすく、適切に断層面を決定できない場合があります。暫定解であることを留意して解析結果を見てください。

結果

地震モーメント Mo = 1.4 x 10^19 Nm (Mw 6.7);
破壊継続時間 T = 18 s;
(strike, dip, rake) = (120, 76, -10.8)
震源: (Lat = 33.271N, Lon = 96.629E, depth= 10 km).
[ここで,震源はUSGSの値を使用しました。]

プレート内で発生した横ずれ断層型の地震で、規模は、阪神淡路大震災を引き起こした1995年兵庫県南部地震と同程度です。断層の長さは約50 km、幅は約15 km、最大すべり量は約1.8 mとなります。観測波形の特徴と得られた結果から、少なくとも3つの異なる断層が連動したことがわかります。はじめのイベントは震源付近で約5秒間継続しました。破壊開始から6秒後に次のイベントが、12秒後に最後のイベントが開始しています。全体の破壊は約18秒間継続しました。

(文責 八木勇治:筑波大学)

すべり量分布.星印は震央

震源メカニズム解,震源時間関数,すべり量分布

観測波形(黒線)と理論波形(赤線)の比較