2014年4月1日にイキケ、チリで発生した巨大地震(暫定)

2014/04/01(UT)にイキケ沖でM8クラスの巨大地震が発生しました。本領域では、ナスカプレートが南アメリカプレートの下に年間63 mmの速度で沈み込んでおり、1877年にM8中盤の地震が発生しています。近年のGPSの観測から、莫大なすべり欠損が蓄積していることが明らかになっており(例えば, Chlieh, 2011)、その一部が今回の地震で解放されたと考えられています。今年の1月にチリで開催された国際WSで、本領域で近未来に発生する巨大地震のシナリオをテーマに議論が行われています。私も、SATREPS Chile の一員として参加しました。その時の議論で、「歪みが蓄積している領域を求めることができるが、次の巨大地震が、いつ、どれだけの歪みを解放するのかは分からない」といったコンセンサスが得られたことを記憶しています。

結果

地震モーメント Mo = 1.6 x 10^21 Nm (Mw 8.1);
破壊継続時間 T = 約 45 s;
断層パラメター (strike, dip, rake) = (350, 12, 104)

破壊は、震央から南東側に約150km進行しており、最大すべり量は約 2.2 mです。モーメント解放量は、始め緩やかに増加していき、発生から35秒後にピークを迎え、その後、急激に減少しています。 (文責 八木勇治:筑波大学)

すべり量分布

[震央はUSGSの値を使用しました。]

震源メカニズム解、モーメント速度関数、すべり量分布

観測波形(黒線)と理論波形(赤線)の比較