顕微鏡色々
微化石の研究では、その目的に応じて様々なタイプの顕微鏡を使います。
以下、酸処理室にある顕微鏡を紹介していきます。

実体顕微鏡です。
倍率は接眼レンズが×10、対物レンズが×0.8〜5です。
残渣から、微化石を拾い出すのに使います。
拾い出し作業は具体的には、以下のように行われます。
1.残渣を作業台(写真の顕微鏡にのっている黒い物体のことです)に適量まきます。
2.実体顕微鏡を覗き、先端を細く加工した筆を用いて微化石を探します.
3.化石を見つけたら、少し湿らせた筆の先で化石を拾い、SEM台にのせます。
4.十分な数の化石を集めることできたら、次はSEMを用いた写真撮影に移ります。


走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope)です。略してSEMと呼ばれています。
ここでは、放散虫やコノドント化石などの写真撮影に使われています。
その際の倍率はおよそ100〜300倍です。
SEMの操作は(写真右の)パソコンで行い、撮影した画像はデジタルデータとして保存されます。


偏光顕微鏡です。
倍率は接眼レンズが×10、対物レンズが×4、10、40、100です。
薄片の観察、写真撮影に使用します。
古生物学分野では、特にフズリナ化石の研究に欠かせない顕微鏡です。