酸処理空間
酸処理室内はさらにふたつに仕切られており、
入って奥側のスペースが実際に酸処理を行うための空間になっています。
酸処理とはどんな作業なのか、大体の行程を以下に示します。
なお、石灰岩試料には酢酸を、それ以外(チャートや泥岩)の岩石試料にはフッ酸を用います。

1.岩石試料を細かく砕き、ビーカーに入れる。
2.ビーカーに酸を注ぐ。
3.一晩漬けておく(酢酸は4日間ほど)。
4.ふるいにかけて、残渣を取り出す。
5.酸をよく水で洗い流す。
6.さらさらになるまで乾燥させる。
(7.石灰岩試料の場合は重液処理を行う。)

それでは、酸処理に用いる装置を紹介していきます。

ドラフトといいます。
とても強力な換気扇、のようなものです。
岩石試料を酸に漬けると有毒なガスが発生するため、 このような装置が必要になります。
酸(と岩石)の入ったビーカーはここに安置されます。
ドラフトが強力に室内の空気を吸い込むため、
部屋のドアを閉めるとゴーッと空気がうなりをあげます。


オーブンです。
残渣を乾かすために使います。
外見は骨董品感覚あふれていますが、
まだまだきちんと動きます。
各々一度に60個以上のサンプルを
収めることが可能です。


青いものはガスマスクです。
酸処理を行う際にはこれと、
白衣とゴム手袋を装着します。
ガスマスクは長時間つけていると顔に跡が残ります。
ゴム手袋は少しむれます。
しかし酸処理ではフッ酸や酢酸などを扱うため、
これらの装備は必須です。
なお、地質学とは縁のなさそうにみえる白衣ですが、
酸処理以外にも、岩石粉砕、薄片作成、廃液処理、大掃除など多岐にわたって使用されています。


重液処理を行うための道具です。
石灰岩試料を酸処理すると大量の残渣が出ます。
化石と残渣の比重の違いを利用して、両者を分離します。
主に石灰岩からコノドント化石を抽出するのに使われます。