南インド地質調査2003




インド半島最南端,Kanya Kumari

はじめに

 平成15年3月に,角替が高知大学グループとともに南インドのPan-African期の変動帯であるKerala Khondalite Beltと,原生代の広域変成帯であるMadurai Blockの地質調査を行いました.その様子をご紹介します.

  
左:カオリナイト鉱山  右:ヤシの木

Kerala Khondalite Belt

 Kerala Khondalite Beltは,インド半島の最南部にみられるPan African期(約550 Ma)の広域変成帯で,khondalite, leptiniteなどの特徴的な岩相により構成されています,また,incipient charnockiteが広く見られることも有名で,1970年代後半からCO2の浸透によるグラニュライト形成の代表的な例として,世界中の研究者の注目の的となってきました
 今回の調査では,Trivandrum周辺のkhondalite,incipient charnockiteなどを見学し,サンプルの採集を行いました.

調査地域の地質概略図.

 
左:Kerala Khondalite Beltに産するkhondalite(右:pelitic gneiss)とleptinite(左:leucocratic Grt-Bt gneiss).ミグマタイト化によるleptiniteのkhondakiteへの注入と考えられる.
右:khondaliteの部分溶融部分に粗粒のcordieriteがみられる.低圧での溶融か?あるいはざくろ石からの分解.

 
左:khondalite中に産する粗粒garnet.変形によって回転している.周囲の針状鉱物はsillimanite.
右:優白色部には,直径約2 cmの花弁状graphiteがみられる.このような事実から,CO2の浸透によるグラニュライト相の変成作用が指摘されてきた.

 
左:garnet(赤色)の周囲にcordierite(濃紫色)が形成されている.後退変成作用期の圧力減少による産物である.
右:Achankovil Shear Zoneに沿って産する,変形を受けたleptinite.

 
左:incipient charnockiteの代表的な露頭.
右:fokiationを持ったGrt-Bt gneiss(白色)中に,褐色のcharnockiteがスポット状にみられる.

 
左:周囲の片麻状構造を切ってcharnockiteは産する.
右:charnockiteスポットは方向性をもって産することから,構造に沿ったCO2の浸透が考えられている.

 
左:massive charnockite.中央には,片麻状構造をもった苦鉄質片麻岩がみられる.
右:massive charnockite中に,Opx-Kfs meltの貫入が見られる.

 
左:massive charnockite中にみられるcalc-silicateゼノリス(左上).
右:Kerala Khondalite Beltの山並み.

 
左:閃長岩中に貫入するペグマタイト.矢印部分は,チェフキナイト.
右:閃長岩中にみられる超苦鉄質ゼノリス.

Madurai Block

 Madurai BlockはKerala Khondalite Beltの北に分布し,両者の境界はAchankovil Shear Zoneによって定義されています.Madurai Blockにはチャノッカイトが広く分布し,他に苦鉄質片麻岩,泥質片麻岩などのスプラクラスタルがみられます.過去の年代データから,24-25億年前と17億年前の2回の変成作用の証拠が確認されています.
 今回の調査では,Madurai Blockのgemstone mineと少量のチャノッカイトを採集しました.

 
左:massive charnockiteの石切場.
右:charnockite中に石灰質岩がみられ,反応帯を形成している.

 
左:アイオライト(cordierite,写真の濃紫色部).
右:巨大なコランダム(ルビー).

おまけ

 
左:高級ホテルでのランチ.様々な種類のカレーがある.
右:田舎の食堂で食べたランチ.バナナの皮が食器代わり.

 
左:朝食に食べたドーシャ.
右:Madurai Block中のペグマタイトに見られる様々な種類の宝石.


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