平成14年8月に,角替がブラジル南東部のMinas Gerais(ミナス.ジェライス)州・Belo Horizonte(ベロ・オリゾンチ)にあるMinas Gerais大学地質学教室を訪問し,NeoproterozoicのPan-African - Brasiliano期の変動帯であるRibeira Belt(ヒベイラ帯)の調査を行いました.その様子をご紹介します.
 左:調査地域南部の花崗岩,右:剪断帯に沿って流れる川
Ribeira Beltは,ブラジル・サンフランシスコクラトンと,アフリカ・コンゴクラトンの衝突によって形成された変動帯です.岩石に記録された変成年代は6.0-5.3億年(Sm-Nd年代)であり,この衝突イベントががゴンドワナ超大陸の形成と密接に関わっていることがわかります. 今回はRibeira Beltの最高温度部である,Juiz de Fora Complex,およびその南部に発達するParaiba do Sul shear zoneの調査を行い,変成温度圧力履歴の解明を行いました.
 調査地域の模式地質図.凡例10がRibeira Belt.今回はManhuacu周辺を調査した.
 左:片麻状構造の発達したチャノッカイトと苦鉄質グラニュライトのlayering
 左:泥質片麻岩(Grt, Bt, Sil, Crd, Qtz, Kfs, Pl)中に見られるGrt leucosome.ミグマタイト化による部分溶融の産物. 右:Bt-Hbl 片麻岩中に見られる,Opx leucosme.昇温期変成作用の部分溶融(脱水溶融?)によって形成されたと考えられる.
 Paraiba do Sul shear zoneに見られるマイロナイトの組織.カリ長石,ざくろ石(左),角閃岩ブロック(右)が時計回りに回転している.
 Paraiba do Sul shear zoneにみられる石切場での採掘風景.危険な重労働をすべて手作業で行っている.
 ブラジルといえばコーヒー.調査地域はもともと森林であったが,現在はコーヒー,ココナツ,さとうきびなどのプランテーションが行われている.左:満開のコーヒーの花.右:つみ取ったコーヒー豆を天日で3週間乾燥させる.
 リオデジャネイロの市街(左)とBotafogo海岸(右)
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