地球史における生物群の系統・機能形態・古生態・古環境などの解読を通じて,生物の適応進化様式と地球表層環境・生命環境の変遷を追及します.さらに放散虫や有孔虫等の顕生代海洋無脊椎動物やコノドントの古生物学的解析,層序学的解析を行い,それらを用いた広域的対比の成果を基盤に,顕生代の生命環境の復元を目指します.特に日本および東南アジアにおける顕生代の古生物学的研究手法を用いて生物の大量絶滅事件の解明をめざしています.
地球史における物質の移動や変形の物理的・機械的諸過程を、沈み込み帯を中心に、フィールドサイエンス、地震波解析、変形・破壊実験、レオロジーおよび数理アナログモデルの構築などを通じて、解析しています。特に、島弧―海溝系のネオテクトニクス、震源の物理、地殻変動、付加体の形成メカニズム、マイロナイトや断層岩の組織論・成因論などに焦点を当てています。また、深海底における地球変動についても研究しています。
資源の形成プロセスや元素の挙動の解明を目指した基礎研究ならびに資源探査や廃棄物処分に係わる応用研究に取り組んでいます。様々な事例研究を蓄積し、テクトニックセッティングと物質循環の因果関係、大気海洋系の進化と元素挙動の変遷、惑星内部の物質の存在状態を明らかにし、地球および惑星における物質循環とその進化を地球惑星科学の観点から統一的に理解することを目指しています。
地球史における生物群の系統進化や適応放散のパターンとプロセスを,詳細な形態学的,生態学的,行動学的,生物地理学的、地球化学的な解析に基づいて研究しています.特に,哺乳類や軟体動物(特に頭足類)を対象にした研究を進めています.また,ジルコンなどの放射年代測定により,地層や岩石に時間軸を与え,地球史の解読も試みています.
地圏変遷科学分野は地層の解読によって地球表層における様々な現象とその地球史における変遷を明らかにする研究分野です.研究テーマは様々で,アジアの構造発達史のような数千万年以上の時間スケールを持つものから,地震・津波の再来間隔のように数百年程度のものまであります.地圏変遷科学分野におけるすべての研究は野外調査を基本としていますが,研究テーマによって様々な分析を行います.また調査地域も様々で,日本国内はもちろんタイやラオス,イランなどアジア各国でも調査を行っています.
地球を構成する岩石および鉱物の野外調査と記載、元素・同位体比分析、生成条件の熱力学的解析等を研究手法として、岩石の起源や生成機構、火山噴火機構の解明を行っています。地質調査の対象地域は日本国内に限らず、アジア大陸や先カンブリア時代の安定大陸に及びます。それらの岩石学的・岩石化学的解析から、地殻とマントルの相互作用、地殻内部のマグマ・変成プロセスを検討し、基礎科学としての視点を進展させながら、地球史全般にわたる物質進化の研究をしています。
地球の様々な領域で生成される鉱物の野外調査や鉱物学的記載、結晶構造特性の解明、室内合成実験に基づいた鉱物の化学特性の評価と生成機構の理解、さらには、鉱物内に取り込まれた流体包有物の微量元素分析および、分析機器開発に取り組んでいます。また、それらの実験から得られた鉱物学的な知見から、鉱物生成の基本原理や、それぞれの鉱物が保持する結晶構造に関する基本則の導出、さらには個々の鉱物特有の物性発現機構の解明と予測を行っています。さらに、最新の分析手法や測定装置を駆使して、地球内部における物質循環サイクルの地球進化学的研究や、日本列島に特徴的な島孤での元素濃集プロセスの解明を行っています。