2018年9月6日 北海道胆振東部地震

2018年9月6日に北海道胆振東部でMj6.7の地震が発生しました。ここではIRIS-DMCから世界に展開されている地震観測網の波形データをダウンロードし、震源過程を求めました。観測波形から、この地震の震源メカニズムが時間とともに変化していることが分かります。このような地震に対応するために開発した、モーメントテンソルの時空間分布を求めるようにYagi & Fukahata (2011 GJI) を拡張した手法を解析に使用しました。震源メカニズムの空間分布と余震分布を比較すると、東傾斜の面を持つ高角な逆断層が動いたと解釈できます。主破壊は南に伝播し、南に行くに従い、断層の走向が時計回りの方向に回転していきます。くの字を反転させたような逆断層の破壊と震度分布は密接に関係している可能性があります。(八木・奥脇)

Results

Seismic Moment = 0.82 x 10^19 Nm (Mw 6.5);
Source duration T ~ 13 s;

最終的なモーメントテンソルの分布

観測波形(黒線)と理論波形(赤線)の比較

解析には、Berkeley Digital Seismograph Network, New China Digital Seismograph Network, Global Seismograph Network (GSN - IRIS/IDA), International Miscellaneous Stations, Global Seismograph Network (GSN - IRIS/USGS)で観測された地震波形を使用しました。震源情報は気象庁一元化震源を使用しています。本ページ内の図の作成にはGMT(Generic Mapping Tool; Wessel, P. and W. H. F. Smith, 1998)を使用しています。