2009年10月7日(UT)バヌアツで発生した大地震(暫定)

10月7日(UT)にバヌアツでMw 7.5の逆断層の大地震が発生しました。この地震の重心は深さ40~50 km近傍に求まり、重心の位置と地震のメカニズムからスラブ(沈み込んでいる海洋プレート)もしくは海洋プレート内部で発生した地震であると考えられます。
ここでは,FDSNとGSNの地震波形記録をIRIS-DMCからダウンロードして,地震時の断層面上の滑り分布を求めました。ここで得られた解は、グリーン関数の不完全性を考慮した震源解析手法で得られたものです。サンプリング間隔 1.0 sで計算しています。
残差が最小となる走向傾斜と震源の深さ求めた結果、南西傾斜の断層面を仮定した場合に残差が最小となる解が求まります。可能性のある二つの断層面のどちらを採用しても、震源から北西に向かってに50 kmほど破壊が伝わるモデルが得られます。また、すべりの時空間分布から、少なくとも2つのすべり速度の大きなイベントが確認できます。(筑波大学 八木勇治

主な解析結果

断層モデル
地震モーメント Mo = 2.3 x 10**20 Nm (Mw 7.5);
破壊継続時間 T = 約 30 sec ;
(strike, dip, rake) = (149, 47, 77)
震源の深さ = 40 km.

すべり量分布.星印は震央

震源メカニズム解,震源時間関数,すべり量分布

観測波形(黒線)と理論波形(赤線)の比較