2007年7月16日新潟県上越沖の地震の震源過程(改訂 ver.2)

改訂ver.1では、余震分布を参考にして、断層面を南落ちに仮定しましたが、国土地理院による、地殻変動の解析からは、北落ちの断層面の可能性が極めて高いと言えます。予備的な解析では、ABICを最小にする解は、北西落ちの方がより適切であると判定されます(震源の深さ、仮想的破壊伝搬速度を動かした時のABICの値の変化)。現在、この手法では、条件の違いによって、得られる断層面が変わってくることを確認しており、まだ議論・改善の余地があります。(改訂 ver.2)では、北落ちの断層面を仮定した場合の結果を下記に示します。(文責: 八木勇治

主な解析結果

地震モーメント Mo = 0.86 x 10** 19 Nm (Mw 6.6);
破壊継続時間 T = 12 sec ;
(strike, dip, rake) = ( 220, 50, 92)
震源(破壊開始点)の深さ:  depth= 6 km 

滑り量分布.星印は震央

震央は気象庁一元化震源を使用しています。

滑り速度のスナップショット

震源メカニズム解,震源時間関数,滑り量分布

距離と時間軸に投影した滑り速度分布

青四角は、各ノットで全体の滑り量の50%を解放した時間を示す。

観測波形(黒線)と理論波形(赤線)の比較


2007年7月16日新潟県上越沖の地震の震源過程(改訂 ver.1)

2007年7月16日に新潟県上越沖でMw 6.6 の地震が発生しました。FDSNとGSNの地震波形記録をIRIS-DMCからダウンロードして、地震時の断層面上の滑り分布を求めることを試みました。解析には、現在開発中である、新しい観測方程式を使用した波形インバージョン法(Yagi and Fukahata, 2007投稿準備中) を使用して、ABIC 最小解を求めました。この手法は、フィルターや地球内部の非弾性減衰によるバイアスを取り除き、データの有する情報を正確に評価できます。破壊は、南西方向に約20km 伝搬しました。破壊領域は、震源近傍と、震源から南西方向約20kmの二つに分けることができます。主な解析結果は以下の通りです。(文責 八木勇治 筑波大学大学院生命環境科学研究科)

主な解析結果

地震モーメント Mo = 0.88 x 10** 19 Nm (Mw 6.6);
破壊継続時間 T = 12 sec ;
(strike, dip, rake) = ( 45, 40, 87)
震源(破壊開始点)の深さ:  depth= 10 km

滑り量分布.星印は震央

震央は防災科研Hi-netの自動決定震源を使用しています。

滑り速度のスナップショット

震源メカニズム解、震源時間関数、滑り量分布

距離と時間軸に投影した滑り速度分布

青四角は、各ノットで全体の滑り量の50%を解放した時間を示す。

観測波形(黒線)と理論波形(赤線)の比較

謝辞:解析には、 FDSNとGSNの地震波形記録を使用しました。また、震央は防災科研Hi-netの自動決定震源を使用しました。記して感謝します。


2007年7月16日新潟県上越沖の地震の震源過程(暫定)

2007年7月16日に新潟県上越沖でM6.5 の地震が発生しました。 FDSNとGSNの地震波形記録をIRIS-DMCからダウンロードして、地震時の断層面上の滑り分布を求めることを試みました。ここで、現在開発中である、新しい観測方程式を使用した波形インバージョン法(Yagi and Fukahata, 2007投稿準備中) を使用しました。暫定解のため、ABIC最小解となっていません。現時点で、ABIC最小解を計算中です。現時点では、残差の低い断層面は、南東傾斜の断層面です。断層の破壊は、震源から南西方向に約20km伝搬しています。断層の滑りは深さは、5~15km の領域に集中しており、最大滑り量は約 1mです。

主な解析結果

地震モーメント Mo = 1.17 x 10** 19 Nm (Mw 6.7);
破壊継続時間 T = 10 ~ 17 sec ;
(strike, dip, rake) = ( 64, 38, 99)
震源の深さ:  depth= 14 km 

滑り量分布。星印は震央

震源メカニズム解、震源時間関数、滑り量分布

距離と時間軸に投影した滑り速度分布

青四角は、各ノットで全体の滑り量の50%を解放した時間を示す。

観測波形(黒線)と理論波形(赤線)の比較

解析に使用した観測点分布